情通機構、日欧で新世代ネットの研究

(2012年10月3日、日刊工業新聞)

情報通信研究機構(NICT)

情報通信研究機構(NICT)は2012年10月2日、新世代ネットワークの研究開発を欧州委員会と共同で進めることを決め、その一環として同日、3つの研究開発テーマの公募を開始したと発表した。日欧双方の強みを生かし、国際標準化をにらんだ研究開発を進めて、新世代ネットワークの早期実現につなげる。

ネットワークサービス基盤

公募するのは「モノのネットワークとクラウドを融合するネットワークサービス基盤の研究開発」「ネットワークテストベッドを活用した日欧における実証的共同研究」「コンテンツ指向ネットワーキングによる省エネルギーコンテンツ配信の研究開発」-の3つ。各テーマそれぞれに研究開発経費として単年度5000万円を提供する。期間は2013年度から最長で3カ年。国内の企業、大学、研究機関のいずれも応募できる。

新世代ネットワーク戦略プロジェクト

研究開発戦略の策定

情通機構では2008年度に新世代ネットワークの研究開発戦略の策定に乗りだし、2010年度から新世代ネットワーク戦略プロジェクトを立ち上げている。今回、情報通信研究開発の加速、深化を狙いに欧州委員会との共同事業を具体化させた。

欧州連合(EU)

FP7

欧州委員会では欧州連合(EU)における科学分野の研究開発を財政的に支援する「第7次欧州研究開発フレームワーク計画(FP7)」を推進中で、今回の共同事業はFP7の一環となる。

ベルサール八重洲

公募説明会

情通機構は10月10日に東京・八重洲のベルサール八重洲で公募説明会を行う。公募期間は11月29日まで。

総務省、日欧間結び「IPv6」

(2001年1月23日、日刊工業新聞)

次世代インターネット通信手順「IPv6」

広帯域ネットワーク実験

総務省は2001年01月31日に日欧間で、次世代インターネット通信手順「IPv6」を使った広帯域ネットワーク実験を始める計画を1月22日明らかにした。東京都小金井市の通信総合研究所と英国ロンドン大学、スペイン・マドリード市のグローバルIPv6サミット会場などを通信速度毎秒40メガビットの光ファイバー専用線でつなぎ、高品質ビデオ会議などの動画像伝送実験を行う。引き続き2001年末まで欧州の大学や研究機関などと伝送実験を行い、日欧共同でIPv6のネットワーク技術研究を促進する考えだ。IPv6は現在のv4に比べアドレス空間が飛躍的に増えてセキュリティー性が向上し、情報家電の普及のツールとしても期待されている。実験ではネットワークの制御プロトコル、超高精度時刻同期技術、高品質画像伝送技術を検証する。

通総研

ICOIN国際会議場

今回の実験で結ぶのは通総研と大分県別府市のICOIN国際会議場、ロンドン大、マドリード会場の4カ所だが、光ファイバーのネットワークの長さは合計1万キロメートルに達する。

IPv6対応ルーター

補正技術を共同研究

短距離では送信ができても、長距離になると到着するまでの時間のズレで画像データが歪んだり、音声がちぐはぐになったりしてしまうケースも考えられる。各会場に備えたIPv6対応ルーターなどで、それらを補正できる技術を共同研究する。

通信・放送機構(TAO)

ロンドン大学とBT研究所

実験に参加するのは日本側が通総研と通信・放送機構(TAO)の次世代広帯域ネットワーク利用技術研究開発プロジェクト、欧州側がロンドン大学とBT研究所、チューリヒ工科大学、欧州核物理研究機構(CERN)など。ほかに複数の研究機関が参加する見通し。総務省では「IPv4の技術開発は米国に後れを取ったがv6の開発では先行し、次世代ネット普及を目指したい」(同省幹部)としている。

総務省、EUと第4世代携帯電話システム開発へ

(2001年2月16日、日刊工業新聞)

「IPv6」対応で推進

欧州共同体

総務省は次世代のインターネット通信手順「IPv6」をにらんだ第4世代携帯電話システムの開発で、欧州共同体(EU)と連携する。研究情報を交換したり人材交流を行ったりして開発の歩調を合わせるほか、国際電気通信連合(ITU)の会合の場所を利用し、国際標準化規格の共同提案を行うことも計画している。第4世代携帯電話は下り伝送速度が毎秒数十メガビットと速いため、IPv6のモバイル端末として中心的役割を果たすことが見込まれる。今後はさらに米国や韓国などの機関とも、共同歩調を目指す考えだ。

シームレスな構造

現在のネットワークは電話サービスが公衆電話網、携帯電話サービスが携帯電話網のように端末種類ごとに“閉じた構造”になっている。アドレス数が飛躍的に増えるIPv6時代は各ネットワークが相互に接続され、ほしい情報をどこでも手に入れることができる“シームレスな構造”になることが予想される。第4世代携帯電話はその中でも持ち運びが簡単な移動体の長所を生かして大きな地位を占めると予想される。第4世代電話の開発では現在、日欧が世界でも先行しており、早期に国際標準化を図ることで利用者の使い勝手を高める。

MIT

広帯域無線アクセスシステム

EUではソフトウエア無線技術や広帯域無線アクセスシステムなどすでに約60の開発プロジェクトがスタートしており、日本も総務省(旧郵政省)が電気通信審議会に、第4世代電話の基本コンセプトを諮問済み。こうした開発のベクトルを双方で合わせることで開発速度や普及のアップを目指す。またAT&Tやマサチューセッツ工科大(MIT)、韓国電子通信研究院など米韓のプロジェクトとも連携や情報交換を図っていく考えだ。

政府がITU専門家会合でPR

(2001年4月20日 日刊工業新聞)

国際電気通信連合(ITU)

NTTドコモ

総務省は、2001年10月に東京で開かれる国際電気通信連合(ITU)の携帯電話関係の専門家会合の場を利用して、NTTドコモなど通信事業者や端末機メーカーと共同で第3世代携帯電話(3G)、第4世代携帯電話(4G)をアピールする。3Gでは会場に数100台の端末を用意、画像伝送などサービスと技術力を世界各国の標準化担当者に披露。さらに4Gでは情報通信審議会がまとめるシステムの基本コンセプトを日本案として正式提案する。3Gは日本が世界のトップを走っており、4Gでも主導権を狙う作戦だ。

世界30カ国から300人程度が参加

ITUの専門家会合には米国や欧州、中国、韓国など世界30カ国から300人程度が参加する予定。政府関係者や通信事業者、メーカーの技術者クラスが集まり、4Gの標準化や3Gの高度化などを協議する。4Gの要求条件(サービスイメージや伝送速度など)は2002年6月にITU会合として、勧告案を策定するスケジュールになっている。

3G、4G

日本テレコム

3GではNTTドコモが5月に世界のトップを切ってサービスを始める予定で、日本テレコムも翌年、追随する計画。欧州各国は周波数オークション制の電波料負担が重く携帯電話会社のサービス展開が遅れる見通しで、「わが国が有利な状態にある」(総務省)とし、この立場を利用し、3Gはもちろん4Gでも主導権確保を目指す。 3Gは通信方式が日欧方式と米国方式に分かれており標準化の障害になっているが、4Gでは最初から世界標準方式にすることが有力視されている。電気通信審議会(情通審の前身)は1999年に、日本だけで移動体通信サービスの加入数が2010年度に1億加入に伸びると予測している。

総務省、デジタル情報家電のネット化へ通信規格を統一

(2004年9月2日、日刊工業新聞)

デジタル・ビデオやパソコン

デジタル・ビデオやパソコン、白物家電などをネットワーク化するため、総務省は統一通信規格づくりに乗り出す。これらは、機器の種類に加えてメーカーごとに接続方式が異なっているのが現状。将来、集中管理装置(ホームゲートウエー)を使い家庭内の家電を外部から操作したり、外部サービスや地域安全システムなどと連携したりといった使い方が想定される。ネットワーク化により関連市場は2010年に2004年比4倍以上の11兆円規模になるという。まず2005年度から相互接続を可能にする中間的規格の開発に着手する。

デジタル情報家電

接続方式

「デジタル情報家電」。一般にはデジタル・テレビやビデオなどが含まれ、ネットワーク対応も進んでいる。総務省の「デジタル情報家電のネットワーク化に関する調査研究会」の報告書によれば、デジタルテレビ、パソコン、電話・FAX、白物家電という各系統ごとに接続方式が異なるという。

動作コントロール方式

ネットワーク家電

さらに同一規格でもメーカーごとの動作コントロール方式が存在する。メーカー各社にとっては、相互接続ができない不便さよりもユーザーの囲い込みを強化することを優先させたい意向がある。しかし、これではネットワーク家電などいつまでたっても実現しない。

日欧の家電メーカー8社による「HAVi」

IBM

一方で、標準化を進める動きもある。マイクロソフトが1999年に提唱した規格「UPnP」。また、富士通、IBMなどが03年に「DLNA」を設立、デジタル・コンテンツの共有化に必要な設計ガイドラインづくりを進めている。「ECHONET」は松下電器産業、日立製作所、東芝などが立ち上げた。日欧の家電メーカー8社による「HAVi」規格もある。

UPnP

DLNA

これだけ規格が“乱立”すると、各規格間で互換性や接続性を取るのは、当然難しくなる。例えば、規格「UPnP」と「DLNA」は互換性が高いが、「ECHONET」や、「1394TA」とは接続性がないといった具合。

ECHONET,1394TA
状況を打開

報告書では、こうした状況を打開していくため最終的に日本が音頭を取り産業界、ユーザーを含めた調整を図る必要があると指摘している。

通信媒体、伝送方式

中間的な規格(プロトコル)

まず、通信媒体、伝送方式の対象を限定。系統・メーカーごとに分かれる通信規格を“翻訳”できる中間的な規格(プロトコル)を開発する。これを搭載したホームゲートウエーで相互接続させる。数年後には各情報家電にゲートウエー機能を搭載、2009年-2014年にはすべての機器が統一規格に移行するというのがシナリオだ。

予算の概算

総務省は2005年度から関連業界各社やユーザーなどをメンバーに協議会を設置して中間プロトコルの開発に乗り出す方針。2005年度予算の概算要求で3億円を計上している。

ITUのUWB規制値勧告案、日米欧の提案盛る

(2005年10月25日、日刊工業新聞)

ウルトラワイドバンド(UWB)

情報家電用無線

次世代の情報家電用無線として期待されるウルトラワイドバンド(UWB)について、国際電気通信連合(ITU)は、規制値に関する勧告案をまとめた。日本、米国、欧州それぞれが提案した基準値を参考として盛り込んだ。総務省は日欧の基準が近似していることを踏まえ、周波数3・4ギガ-4・8ギガヘルツ、7・2ギガ-9・0ギガヘルツを中心に国際的な実用化を推進する方針。(井上雅太郎)

緩い電力基準値

UWBは米国が3・1ギガ-10・3ギガヘルツまで緩い電力基準値を設定。しかし、他の既存無線への干渉懸念があり、日欧がそれぞれの無線利用状況を踏まえた基準値づくりを進めていた。日本は3・4ギガ-4・8ギガヘルツと7・2ギガ-10・3ギガヘルツで緩和する基準を提案。欧州は3・1ギガ-4・9ギガヘルツ、6ギガ-9ギガヘルツで緩和すると設定した。

欧州やアジア各国

基準の調和

日欧両案は、周波数3・4ギガ-4・8ギガヘルツと7・2ギガ-9・0ギガヘルツで共通バンドを持つ。総務省は、UWBを国際運用するための大きな前進として今後、欧州やアジア各国との協調を進める方針。このほど開いた日本と欧州連合の定期協議でも、さらなる基準の調和を図ることを確認した。

情報通信審議会

既存無線システム

日本国内では情報通信審議会で、UWBの技術基準設定を検討している。今回のITU勧告案の内容を踏まえ、欧州案との相違点の受け入れ可能性や、共用対象になる既存無線システムとの調整を進める。2006年3月をめどに答申をまとめる。

第4世代(4G)移動通信システム

電力基準緩和

ただ、日欧の共通バンドの一つである3・4ギガ-4・8ギガヘルツは、総務省が第4世代(4G)移動通信システムの導入を前提にしているため、電力基準緩和には干渉軽減技術を条件に付ける。

FCC

UWBは帯域幅500メガヘルツ以上の周波数を使う無線方式。伝送距離は10メートル程度で、通信速度は毎秒100メガビット超になる。他の無線方式に比べ電波出力を大きく抑制できるのが特徴。2002年に米連邦通信委員会(FCC)が3・1ギガ-10・3ギガヘルツをUWB向けに緩和すると発表している。